ホワイトアスパラガスのビスマルク ❤ ピノ グリージョのマリアージュ
春を告げる食材のひとつに「ホワイトアスパラガス」があります。
私の子供の頃は、チーズと言えば6Pチーズ、ホワイトアスパラは缶詰と、子供ながら敬遠していたことを思い出します。
20歳の頃、フランス料理店の厨房で働き始め、初めて本物のフランス産チーズに出逢い、ホワイトアスパラガスを食し、その印象が180度変わったことを覚えています。
最近では、ホワイトアスパラガスと言えば、フレッシュなものが当たり前に空輸で届き、フランス産をはじめ、イタリア産、ペルー産、そして国産も出回るようになりました。
表面の皮を削ぎ、その皮をボイルしてホワイトアスパラガスの出汁を取ります。その出汁でホワイトアスパラガスを軽く下茹でします。その後、オーブンで火を入れて目玉焼きを添え、パルミジャーノの粉チーズを掛けて、お客様にプレゼンテーションします。
プレゼンテーションの後、1本ずつ更に取り分け、オーブンで熱々になった耐熱皿の中で卵をスクランブルエッグにし、アスパラに掛けて提供します。
チーズの香りと卵の円やかな味わいがアスパラのフレッシュな甘味と良く合います。
そして、この爽やかで円やかなホワイトアスパラガスのビスマルクに合わせたいのが、仄かに甘味があり、後味に優しい苦みが全体を優しく引き締める、イタリア、フリウリ ヴェネツィア ジューリア産のピノ グリージョ。
ピノ種(ピノ ノワールなど)の仲間です。フランスをはじめ多くの国で「ピノ グリ種」と言われます。「グリ = 灰色」の意で、白ブドウ = グリーンがかったマスカットにイメージされるブドウの表皮ですが、このピノ グリージョ(グリ)は、ほんのり赤みが差して、グレーに見えることからこのような名前が付けられています。
ホワイトアスパラガスの甘味と、爽やかさ、パルミジャーノの塩味と旨味、スクランブルエッグソースの円やかさが、ピノ グリージョの優しい甘味とグリーンな風味、が料理と互いに寄り添い、パルミジャーノと玉子が合わさった旨味とワインの苦味がより美味しくなります。
1月中旬ころから出始めたホワイトアスパラガスも、今一番の美味しい時期を迎えています。
チャンスがあったら是非お召し上がりになってください。