喰ったるか!ボッタルガ!カラスミとワインの考察・2
2023/12/2
イタリアではカラスミは「ボッタルガ」と呼ばれていますが、そのボッタルガの名産地がサルディーニャ島。
サルディーニャ出身の友人によると、「サルディーニャではカルチョーフィ(アーティチョーク)と一緒に食べるよ!」と教えてくれました。
もちろんパスタやサラダでも頂くのですが、和食などのカラスミ大根のように、生のカルチョフィと厚めにスライスしたボッタルガを一緒に食べるのだそう。
そして、典型的なマリアージュの代表として「ベルナッチャ ディ オリスターノ」があるとのこと。
「ベルナッチャ ディ オリスターノ」は、サルデーニャの名物ワインで、10年間複数の木樽を移し替え、酸化熟成させて造る琥珀色の複雑な独特の風味がある個性的なワインです。
早速、サルディーニャの友人がお薦めしてくれた「アッティリオ コンティニ Attilio Contini」社の「ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」を入手し味わってみました。
その琥珀色の外観からは甘い味わいを連想させるかもしれませんが、思いの外すっきりとした辛口です。強く広がりのあるアロマ、円みのある柔らかな口当たり、しっかりとしたアルコール感とともに程よい酸味と甘味、苦味が見事に調和してとても心地よい。このワインだけで十分楽しむこともできます。
友人曰く「食前酒としても、ボッタルガと合わせても、またデザートの代わり(食後酒)としても楽しめるよ!」
確かに、丸く柔らかなシェリーのような香りと味わいを彷彿とさせることから、食前酒としても楽しめ、濃厚で繊細な甘味と余韻の長さから、食後にゆっくりと楽しむこともできます。
マリアージュとしてではなく、このワイン単体で十分楽しめます。
「”紹興酒”っぽいよ!」とも彼は言っていましたが、正直そこまでの老ね(ひね)た癖はなく、紹興酒っぽいと言えば、フランス、ジュラ地方で造る”サヴァニャン”の方が、よほど それ に近い印象です。
早速、カルチョフィとボッタルガを購入し、マリアージュを試してみました。
「(ボッタルガ+カルチョフィ)× ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」
”カルチョフィ”は、サクサクとした食感で、大根のような瑞々しさは無くさっぱりとした印象。
ボッタルガはやはりねっとりと濃厚で、磯の香りと魚卵の香り塩味が口いっぱいに広がります。
”サクサク”食感と”ねっとり”感が旨く中和して楽しいです。
これは、おつまみ”として、ゆっくり楽しめます♪
ワインを口に含むと、濃厚な液体の食感が、ボッタルガとカルチョフィの隙間に入り込み包み込む印象。スイカに塩を振りかけると甘味が増すが如く、ボッタルガの塩味がワインの甘味を引き立たせ、一体となって、より美味しくなります。
「カラスミ大根 × 甲州 シュール リー / ルバイヤート」のマリアージュは、ねっとりジューシーな食材の取り合わせに、さっぱりとした甲州の繊細な味わいがカラスミを引き立て、「(ボッタルガ+カルチョフィ)× ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」はワインと合わせたことで甘味が増します。
途中から試食試飲ということを忘れて、普通に”おつまみ”とワインを楽しみ続けたのは、ここだけの話。。。