牡蠣(カキ)喰えば 心が躍る 旬の味
2023/11/10
11月に入り、そろそろ冬の足音が・・・と思いきや、まだ夏が居座っている感じもある今日この頃。
ですが、この頃から美味しく市場に出回り始めるのが ”真牡蠣” です。
レストランでも真牡蠣がメニューに並び始めております。
そんな牡蠣に合うマリアージュを考察、ご紹介したいと思います。
瑞々しく香る磯のかおり、口に含めば海水からの塩味を感じながらミルキー(グリコーゲン)で、ヒダや皮膚、貝柱の食感、貝柱の甘味と濃厚な味わい。
”生牡蠣” は、レストランに於いては最初の一皿目に提供されます。
そうなるとアペリティフの流れで生牡蠣とペアリングしたくなります。
1)イル ミッレ / トゥネッラ
イタリア フリウリ ヴェネツィア ジューリア州で造られるスプマンテ(スパークリングワイン)。
フレッシュで酸が柔らかく、辛口ではありますが、ほのかな甘味を感じます。
スプマンテの炭酸ガスが牡蠣の塩味に、クリーミーなまろやかさが甘味が非常にマッチします。
2)ヴェルメンティーノ ディ サルディーニャ ”キメラ”
四方を海で囲まれたイタリア、サルディニア島のワインです。
前年の9月中旬に手摘みで収穫し、発酵、熟成したのち(たぶん)新しいヴィンテージは7月頃にリリースされ(るはず)。リリースしたばかりは、色も淡くグリーンがかったレモンイエローですが、1年ほどセラーで寝かせて、牡蠣が出回る頃になると、色調も少しずつ黄色味が強くなります。
サルディニアの潮風を浴びて育ったブドウで造ったワインならではの心地良いほのかな塩味、ミネラルを強く感じる酸味、瑞々しく爽やかな果実味は、生牡蠣を始めとして、鮮魚のカルパッチョや、鮮魚のマリネなどとよく合います。
3)カステッリ ディ イエージ ヴェルディッキオ リゼルヴァ クラッシコ
”タルディーヴォ マ ノン タルド” サンタ バルバラ
イタリア中部、マルケ州のワイン。ワイン名が少々長いですが、マルケの土着品種 ”ヴェルディッキオ” を大切に育て個性を活かし、造ってきたワインです。
口に含むと、ドライで厚みのある味わい、その後少しずつ甘味が広がり、余韻も長く、飲み心地も良い白ワインです。
生牡蠣は、食べる前の香りに、仄かな磯の香りと甘美な香りが鼻孔をくすぐります。この香りとワインの香りが美味しい。
口いっぱいに溢れる海を感じる塩味とワインのミネラル分の調和が見事。アフターに広がるワインの甘味が牡蠣の後味と重なり合い、何個でも牡蠣が食べれそうな気にります。
結論として、牡蠣には「酸味」と「ミネラル分」「甘味」が必要で、そのバランスが重要となると思います。
上記に提案したワインはあくまで一例であり、フランスワインでも、熟成したミュスカデやサヴニエール、リースリングなども良く合うと思います。
「牡蠣にはシャブリ!」
とは昔から格言のように言われたものですが、そもそもの理由として・・・
その昔シャブリ地方は海でした。シャブリ地方の土壌はキンメリジャンと言われています。
その土壌にはたっぷりの貝殻などが含まれています。多くの貝殻を含んだ土壌に出来た葡萄(シャルドネ)から作られたワインがシャブリ(Chablis)、そこへのマリアージュとして貝=牡蠣とされてきたのです。
シャブリでも、単に酸っぱいだけとか、辛口なだけではなく、シャープな酸味や甘味、ミネラル分を感じるものがマリアージュとして牡蠣との相性が楽しめると思います。
生牡蠣を前に、ポイントを押さえて、素敵なマリアージュを見つけてみてはいかがでしょうか・・・。