アイテム詳細
所有を巡って国同士が争った、デザートワインの最高峰
1996 シャトー ディケム ソーテルヌ
Château d’Yquem
ボルドーに流れる ガロンヌ川が ジロンド川となって二股に分かれる地に、貴腐ワインの聖地ソーテルヌ地区があります。
貴腐ワインとはデザートワインの一種であり、その味わいはとろけるような極甘口です。
そして、世界最高峰の貴腐ワインとして比類なき伝統と醸造技術を持つのが「シャトー ディケム」です。
ソーテルヌにも独自の格付けがありますが、ソーテルヌで唯一最高ランクを獲得し、ブドウ樹1本からわずかグラス1杯しか造れない貴腐ワインを年間約10万本も生産しています。
ディケムは、アキテーヌ公爵でもあったイングランド王が所有していた中世の時代からその名声が広がっていました。
ディケムの所有を巡ってはフランスとイギリスの間で紛争が起こるほどで、魅力的な立地条件を持つ唯一無二のシャトーとして古くからその価値が認識されていたのです。
百年戦争でイギリスが敗れたことから、シャトーの所有権はフランス国王シャルル7世へと移りましたが、その際、シャトーの管理を任されたのがソヴァージュ家でした。 そして1666年には、ついに今の貴腐ワインのスタイルに生まれ変わりました。
ブドウに菌が付着したままワインを醸造したところ、とても甘いワインが出来上がったのです。
こうしてディケムは、当時としても人気の高かった「蜜」の味を醸し出す貴重なワインとして、王へも献上される特別なわいんとなったのでした。
アメリカの第3代大統領トーマス ジェファーソンもディケムを訪れ、地下に保管されていた樽をいくつもアメリカへ送ったそうです。
1711年には、フランスからソヴァージュ家が所有権を買い取り、その後は1785~1999まで約400年間リュール サリュース家が代々その管理を引き継いできました。 現在はLVMHグループの傘下に収まっています。
セミヨン80% ソーヴィニヨン ブラン20%