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Ji-Cube マリアージュ ブログ

酸辣湯(サンラータン) × モスカテル / ファンヒル / フミーリヤ スペイン

Ji-Cube 2024.7~8 おまかせコース料理より 4品目

~ 酸辣湯 ~

  巻きエビ、鮑、台湾タケノコなどで仕上げたサンラータンになります。

 スープの中に豆腐が入っていますので、お好みで軽くつぶしたり、すくったりしてお召し上がりください。

 Juan Gil   Moscatel / Jumilla/Spain

 モスカテル  ファンヒル / フミーリヤ スペイン

 鮑や巻きエビなどが入った具沢山の酸辣湯。

サンラータン=“スープ”というより、具沢山の器の中に酸辣の餡が掛かったくらいの印象です。

器の底には大きめの豆腐も入っており、トロトロの餡とアツアツの豆腐でハフハフしながらお召し上がりいただきます。

それでも味わいは紛うことなきサンラータン。赤酢の酸味と黒胡椒の辛味、辣油の香りが食欲を倍増させます。

辛味と酸味に甘味を加えて全体の味を調和させたくなるのがソムリエの個人的な性(さが)なのかもしれません。マリアージュさせたワインは、スペイン語で“モスカテル”種。私たちが知るところで“マスカット”。白桃やメロンのような優しい香りと、同じように優しい口当たりと繊細な甘味。ライトでキュートな味わいが、具沢山なサンラータンと引き合い、溶け合い、面白い相性を魅せてくれます。

 

 このワインが産まれるスペインのフミーリヤは、年間3000時間もの日照時間に恵まれていながら、降水量はわずか300㎜(東京の年間日照時間 約1800時間 降水量 約1500㎜)と非常に乾燥した土地であり、かつ海抜700~850m地点に広がる畑の土壌は、その厳しい自然条件ゆえに、石がゴロゴロとした砂っぽい石灰質で痩せています。そんな不毛ともいえる厳しい土地でありながら、育ったブドウは素晴らしくフルーティーで華やかな味わいに溢れています。

ここで栽培されているどのブドウもこの痩せた土壌に相性が良く、厳しい環境の中で収量は自然と制限され、粒の小さいブドウからは香り高く、色調、アロマ共にリッチなワインが産まれるのです。

Ji-Cube

ソムリエ 吉岡 喜代志

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この記事の著者

吉岡 喜代志

1976年 東京生まれ。
銀座、横浜、新宿、青山、吉祥寺など、数々のレストランでサービス、調理の修行を重ねる。2000年 日本ソムリエ協会 認定『ソムリエ』資格取得。
その後、ホテルオークラ東京「ワインダイニング バロン オークラ」にてソムリエとして研鑽を積む。
2005年同協会認定『シニア ソムリエ』資格取得。2006年 東京・赤坂に「中国料理 新葡苑 Tokyo」をプロデュース。
2009年 ㈱クレア設立。同年 六本木「ワインダイニング ル ボン ヴィボン」をプロデュース。
2010年「酒類販売小売業免許」取得。
元麻布ワインバー「Cast78」、赤坂 中国料理「メゾン ド ユーロン」などで、ワインマーケティングアドバイザー。
新宿御苑、南青山、日比谷 中国料理 「礼華グループ」にて統括ソムリエ。
乃木坂中国料理「新華」支配人 兼 シェフソムリエ。
表参道 フランス料理「メゾン ド ミュゼ(旧 1999ロアラブッシュ)」にてソムリエを歴任。
恵比寿の老舗イタリア料理店「トラットリア イル ボッカローネ」と業務提携。
2024年2月より、西麻布「Ji-Cube」との業務提携にて、佐々シェフの創りだす珠玉の中国料理とワインのマリアージュを提唱、ソムリエとして活動中。

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