和牛の水煮仕立て × 2004 キュヴェ ユカ ブラン 鳥居平 今村 / 勝沼 山梨県 日本
2025.11~12 カウンター限定スペシャリティコースより品6目

2004 Toriivilla Imamura “Cuvée Yuka Blanc”
~水煮牛肉~
Wagyu sirloin served in a spicy mala broth.
「水煮牛肉」は、四川料理を代表する“麻辣”の系譜に連なる料理。湯引きしたレタスの上に、同じく軽く湯通しした和牛サーロインを重ね、花椒と唐辛子、香味油をまとった熱々の麻辣ソースをたっぷりと掛ける。最初の一口は、辣(ラー)の鋭い刺激と牛肉の濃厚な旨味がせめぎ合い、舌の上でじんわりとした熱の余韻が広がる。辛味の向こうから立ち上る和牛の甘みと脂の香りが、料理全体を丸くまとめ上げる瞬間、辛さが「旨味」へと転化していく。
この“辛味の中に潜む旨味”と響き合うのが、鳥居平今村 キュヴェ ユカ ブラン 2004。日本が誇る甲州種の可能性を極めた、まさに熟成白ワインの金字塔といえる1本です。造り手 今村家は、山梨県勝沼町の中でも最上級区画「鳥居平(とりいびら)」を所有し、明治期より日本ワインの発展を支えてきた名家。三代目・今村英紀氏が、孫娘の誕生を記念して仕込んだというこのワインは、長期熟成に耐えるべく徹底した選果と低温発酵が行われ、甲州の繊細な酸と果実味が20年の時を経て見事に昇華しています。
グラスに注ぐと、琥珀を帯びた黄金色の液体から、ドライハニーやオレンジピール、焼きリンゴ、そして紹興酒を思わせる熟成香が立ちのぼる。その芳醇さは、麻辣の香りに決して負けることなく、むしろ辛味の奥にある甘味を引き出す“共鳴”を生み出す。ワインの熟成によって得られた柔らかな甘味と酸が、花椒の痺れと唐辛子の辛味を見事に「中和」し、全体の輪郭を整える。そこに牛肉の脂のコクが絡み合うことで、ワインのミネラル感が生き生きと立ち上がり、味わいのバランスが完全に整うのです。
ここで成立するのは、「五味のマリアージュ」。
牛肉とスープがもたらす旨味、唐辛子の辛味、ワインの甘味と酸味、花椒のほのかな苦味。それぞれが主張しながらも、一瞬ごとに立場を変え、互いを補い合う。まるで火と水が共存するような絶妙な調和が口中に広がる。そしてもう一つの鍵は「テクスチュアのマリアージュ」。湯引きした和牛サーロインの滑らかでしっとりとした舌触りに、熟成甲州のまろやかな酸と厚みのある粘性が寄り添い、液体と固体の境界がほどけていくような感覚を与えるのです。
辛味に寄り添う白ワインという一見矛盾した選択が、熟成という時間の魔法によって見事に調和する。
口の中で辛さが和らぎ、代わりにふくよかな旨味が立ち上る瞬間——それはまさに“辛味が旨味に変わる”奇跡のマリアージュ。
甲州という日本固有のブドウが20年の歳月を経て生み出す穏やかな甘味と酸の調和が、四川の情熱と静謐をひとつの器に閉じ込める。
Ji-Cubeが描く“香韻中華”の世界、その核心がここにあります。
熱と静寂、辛味と優しさ、そして和と洋——。この一皿と一杯が出会う時、文化の境界線は溶け、ただ「美味しさ」という真理だけが残ります。
Ji-Cube
ソムリエ 吉岡 喜代志
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