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ワインの豆知識

ワインの賞味期限ってあるの?

2023/10/13

ワインの賞味期限は・・・?

  そもそも「ワインって賞味期限はあるの?」と思われた方も沢山いらっしゃるかと思います。

結論から言うと、明確な賞味期限は決まっていません。

  ワインのエチケット(ラベル)を見ても、どこにも賞味期限表示はされていません。

その理由として、ワインには“腐る”という概念がないからです。

  ワインは時間の経過とともに“腐る”のではなく、“熟成”されていくからです。

  偉大なワインの中には10年以上熟成させないと、そのワインの本来の味わいにならないという物もあります。

  つまりは「ここまでが美味しく飲める期限」ということを表す賞味期限は、ワインには適していないというわけなのです。

また、長期熟成に向いているワインの熟成期間は、10年~80年といったように美味しく飲める期間がとても幅広いため、“飲み頃”を決めることが難しいという理由もあります。

・・・というのがワインの本などに載っている一般的な考え方です。

ここからは、私の思う見解です。。。

「このワインは、まだ若い」とか「これはちょっと枯れ気味」などとワイン通の会話でよく耳にしますが、これはワインを飲んだタイミングが、上記のグラフの左側(右肩上がり)を指している(と感じた)場合「若い」と感じ、逆に右側(右肩下がり)の頃だと(感じた)場合「枯れ気味」や「枯れている」と表現します。

「若い」「枯れている」からと言って、美味しくないワケではありませんし、体に悪いワケでもありません。

例えば果物の「柿」を例に、まだ熟しきっていない、硬さの残るシャキシャキした状態の柿は「若い」ですし、

ちょっとグズグズに柔らかくなった状態の柿は「枯れている」とは言いませんが「過熟」となります。

どちらも柿ですし、若い状態が好きな人も、熟し過ぎた状態が好きな人もいます。

ワインも同じで、青っぽさの残る、若々しい味わいのワインが好きな人も、哀愁漂うピークを過ぎた

味わいが愛おしいと思う人もいます。

結論として、「ワインのピーク ≠ 美味しさのピーク」であり、ワインによって、その熟成期間が違うので“賞味期限”や“飲み頃”は一概に決めることは難しいということです。

ただ、多くの人がワインのピークの辺りに飲むワインを「美味しい」と感じるので、グランメゾンでは、リリース仕立てのまだ若くて安いうちに沢山買って、ワインカーヴ(ワインを熟成させるための空間)などで10年くらい寝かせ(熟成させ)て、ソムリエが“飲み頃” と判断した頃にワインリストに載ります。

この記事の著者

吉岡 喜代志

1976年 東京生まれ。
銀座、横浜、新宿、青山、吉祥寺など、数々のレストランでサービス、調理の修行を重ねる。2000年 日本ソムリエ協会 認定『ソムリエ』資格取得。
その後、ホテルオークラ東京「ワインダイニング バロン オークラ」にてソムリエとして研鑽を積む。
2005年同協会認定『シニア ソムリエ』資格取得。2006年 東京・赤坂に「中国料理 新葡苑 Tokyo」をプロデュース。
2009年 ㈱クレア設立。同年 六本木「ワインダイニング ル ボン ヴィボン」をプロデュース。
2010年「酒類販売小売業免許」取得。
元麻布ワインバー「Cast78」、赤坂 中国料理「メゾン ド ユーロン」などで、ワインマーケティングアドバイザー。
新宿御苑、南青山、日比谷 中国料理 「礼華グループ」にて統括ソムリエ。
乃木坂中国料理「新華」支配人 兼 シェフソムリエ。
表参道 フランス料理「メゾン ド ミュゼ(旧 1999ロアラブッシュ)」にてソムリエを歴任。
恵比寿の老舗イタリア料理店「トラットリア イル ボッカローネ」と業務提携。
2024年2月より、西麻布「Ji-Cube」との業務提携にて、佐々シェフの創りだす珠玉の中国料理とワインのマリアージュを提唱、ソムリエとして活動中。

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