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フカヒレのあんかけご飯 × クレンデネン ファミリー PN ランチョ ラ クーナ(サンタマリア ヴァレー)

Ji-Cube 2024.3~4 おまかせコース料理より 10品目

~ 紅焼排翅飯 ~

 気仙沼産の吉切鮫のフカヒレを白湯スープとオイスターソースで仕上げたお醤油ベースの “フカヒレご飯” です。さらにこのフカヒレの煮込みに黒トリュフを合わせました。

 もう香りから美味しい! この餡は、日本人の大好きな味わいです♪

 炭水化物にお酒は合わせにくい・・・というのが私の持論です。

 もちろん焼酎やビールなど、マリアージュを考えず、単に飲み物として合わせることは多々あります。

 「フカヒレの醤油煮込み」にピノ ノワールというマリアージュは私の中では以前からのベストマリアージュです。

 Clendenen Family   Rancho La Cuna  Santa Maria Valley

 クレンデネン ファミリー  ランチョ ラ クーナ

 冷涼なサンタ バーバラから優雅なブルゴーニュスタイルのワインを造り出した先駆者ジム クレンデネンが産み出すファミリー ヴィンヤード。

 当主のジム クレンデネン氏とは以前 3度ほど一緒にワインを酌み交わしたことがありました。来日時、私の店に来てくれたこともありました。

 ジムのルーツは神様アンリ ジャイエにあります。1981年秋、伝説的なクルティエのベッキー・ワッサーマンの紹介で、ジャイエの下で研修しました。ブルゴーニュで初めての収穫体験だったそうです。

 2度の結婚をし、息子のノックス アレキサンダーと娘のイザベルを愛し、ワインの名前につけました。2人は父ともに働き、イザベルはアンバサダーとしてジムと共に頻繁に来日、日本食やアニメ(娘)が大好きな親日家でもあります(ジムは自身のワイナリーでスタッフに食事を振舞った際、出汁を引いて和食を作るくらいの日本食フリークです!)。ノックス アレキサンダーは日本の大学に通っていました。ジムはキリストのような長髪とサンタ クロースのようなお腹で、どこへ行っても人気者のジム クレンデネンでした。

 そう「でした。」

 2021年5月15日ジムは就寝中に亡くなりました。早すぎる68歳の死でした。

 ジムの訃報は世界中を駆け巡り、早すぎる死を悼む声が世界から寄せられました。

 彼の創るワインは、ブルゴーニュのグランクリュを彷彿とさせる、エレガントで透明感があり艶っぽく、それらに特徴的な香り、紅茶を始め湿った土や、トリュフを感じることができます。そしてカリフォルニアらしい芯のしっかりとしたニュアンスもあります。

 この味わいとクオリティは、フカヒレの醤油煮込み、トリュフ風味に見事なマリアージュを魅せます。ワイン単体でも、味わい深く十分に愉しめます。

 現在ワイナリーは、娘のイザベラさんと、息子のノックス アレキサンダー君が中心となって、父の遺志を受け継ぎ高い品質のワインを産み出し続けています。

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この記事の著者

吉岡 喜代志

1976年 東京生まれ。
銀座、横浜、新宿、青山、吉祥寺など、数々のレストランでサービス、調理の修行を重ねる。2000年 日本ソムリエ協会 認定『ソムリエ』資格取得。
その後、ホテルオークラ東京「ワインダイニング バロン オークラ」にてソムリエとして研鑽を積む。
2005年同協会認定『シニア ソムリエ』資格取得。2006年 東京・赤坂に「中国料理 新葡苑 Tokyo」をプロデュース。
2009年 ㈱クレア設立。同年 六本木「ワインダイニング ル ボン ヴィボン」をプロデュース。
2010年「酒類販売小売業免許」取得。
元麻布ワインバー「Cast78」、赤坂 中国料理「メゾン ド ユーロン」などで、ワインマーケティングアドバイザー。
新宿御苑、南青山、日比谷 中国料理 「礼華グループ」にて統括ソムリエ。
乃木坂中国料理「新華」支配人 兼 シェフソムリエ。
表参道 フランス料理「メゾン ド ミュゼ(旧 1999ロアラブッシュ)」にてソムリエを歴任。
恵比寿の老舗イタリア料理店「トラットリア イル ボッカローネ」と業務提携。
2024年2月より、西麻布「Ji-Cube」との業務提携にて、佐々シェフの創りだす珠玉の中国料理とワインのマリアージュを提唱、ソムリエとして活動中。

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