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牡蠣の唐辛子炒め × ヴェルナッチャ ディ オリスターノ アッティリオ コンティニ(サルディニア/イタリア) 

Ji-Cube 2024.3~4 おまかせコース料理より 6品目

~ 宮保牡蠣 ~

 今が旬、プリップリの大振りの牡蠣を片栗粉をまぶして表面カリカリに揚げます。

 朝天唐辛子を熱々の油で熱して香りと辛味を写し、甘酸っぱいタレを花椒と合わせ、牡蠣と絡め炒めました。

 牡蠣の旨味とともに、唐辛子や花椒の香りと辛味をお楽しみ頂きます。

 私の友人であるイタリア、サルディニア島出身の友達に言わせると、「紹興酒のようなワイン」といってましたが、そこまで紹興酒のようなニュアンスはありません。

(紹興酒のような香りに近いワインは、また別の機会にご紹介します!)

 Vernaccia Di Oristano  Attilio Contini

 ヴェルナッチャ ディ オリスターノ  アッティリオ コンティニ

 イタリアには、“ヴェルナッチャ” で始まる名前のワインは、ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノなどほかにもありますが、全て別のワインです。恐らく、「地元」を意味するラテン語から派生した言葉だと言われています。

 このワインは、3月ごろ醗酵を終えると、栗か樫の木で作られた樽に移されて、熟成させますが、樽の容積の80%から90%までのところまでワインを入れ、ワインの表面が酸素と接触し続けるようにします。

 この時、特殊なミクロクリマと酵母の働きによって、ワインの表面にフロールと呼ばれる産膜酵母が発生し、長い熟成期間の間、酸化し過ぎることを防ぐのです。この変化には、アルコール度数が14.5%以下だとお酢になってしまい、16%以上だと、産膜酵母自体が死滅してしまうという絶妙な具合が要求されます。

 このような、他に類を見ない熟成方法によって、オレンジに近い濃い色をした長期熟成にも耐える独特の白ワインができるのです。

 以前のブログでも紹介しましたが、サルディニア島では、アーティチョークやボッタルガ(カラスミ)と合わせて楽しむようですが、ほのかにシェリーを思わせるような香りと、まろやかな包み込むような味わいは、この料理の甘酢あんと非常に良く合います。先のカラスミ同様、牡蠣を咀嚼したときの磯の香り(ヨード香)に見事な調和を魅せてくれます。

 この料理名「宮保牡蠣」は、中華では伝統的な料理「宮保鶏丁」という鶏肉とカシューナッツの炒めの餡と同様のソースで、私はこの宮保鶏丁にもこのワインをペアリングとして提案いたします。しかし今回、鶏肉よりも牡蠣の方が更に一段階上のマリア―ジュになったこと、私自身も新たな発見となりました♪

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この記事の著者

吉岡 喜代志

1976年 東京生まれ。
銀座、横浜、新宿、青山、吉祥寺など、数々のレストランでサービス、調理の修行を重ねる。2000年 日本ソムリエ協会 認定『ソムリエ』資格取得。
その後、ホテルオークラ東京「ワインダイニング バロン オークラ」にてソムリエとして研鑽を積む。
2005年同協会認定『シニア ソムリエ』資格取得。2006年 東京・赤坂に「中国料理 新葡苑 Tokyo」をプロデュース。
2009年 ㈱クレア設立。同年 六本木「ワインダイニング ル ボン ヴィボン」をプロデュース。
2010年「酒類販売小売業免許」取得。
元麻布ワインバー「Cast78」、赤坂 中国料理「メゾン ド ユーロン」などで、ワインマーケティングアドバイザー。
新宿御苑、南青山、日比谷 中国料理 「礼華グループ」にて統括ソムリエ。
乃木坂中国料理「新華」支配人 兼 シェフソムリエ。
表参道 フランス料理「メゾン ド ミュゼ(旧 1999ロアラブッシュ)」にてソムリエを歴任。
恵比寿の老舗イタリア料理店「トラットリア イル ボッカローネ」と業務提携。
2024年2月より、西麻布「Ji-Cube」との業務提携にて、佐々シェフの創りだす珠玉の中国料理とワインのマリアージュを提唱、ソムリエとして活動中。

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