鶏の山椒風味 × レトワール サヴァニャン Dom. フィリップ ヴァンデル（ジュラ・フランス）
Ji-Cube 2024.5～6 おまかせコース料理より 3品目
～ 花椒鶏片 ～
鶏モモ肉を柔らかく茹で、ニンニクを効かせた花椒のタレに漬けたものになります。
花椒の実を香りづけに添えてタレ（スープ）とともにお召し上がりいただきます。
L’Etoile Savagnin Dom. Philippe Vandelle ／ L’Étoile・Jura・France
レトワール サヴァニャン Dom. フィリップ ヴァンデル ／ レトワール ・ ジュラ ・ フランス
こちらも、「香りに仄かな紹興酒や、ドライシェリーの香り」を感じます。
ブルゴーニュ地方のボーヌから東へ約100km（車で1時間ほど）、スイスとの国境に近い丘陵地帯に畑が点在するジュラ地方は、長いワイン造りの歴史を持ちます。またワインだけではなく、ブレス鶏やコンテ（チーズ）など、食を探求する者にとってもとても魅力的なエリアです。
今回のワインが造られたレトワール村は、“ヴァン ジョーヌ”を含め、白に特化した別格の産地です。
小さな星の形をしたウミユリの茎の化石がよく見られること、また、畑が広がる5つの丘の配置が“星”のように見えることから、フランス語で“星”を意味する名を持つこのサブ アペラシオンは、ジュラの中央部に位置し、エトワール村を中心に合計4つの村で構成されています。
Dom. フィリップ ヴァンデルは2001年に設立された比較的若い生産者で、造られたワインはそのほとんどがフランス国内で消費されています。
先にも記載しましたが、香りの第一印象には、紹興酒のような、またシェリーのような香りがあります。
香りを深く覗くとクルミやアーモンドといったナッティーな香りを感じます。普段口にするようなワインに比べると変化球的な味わいで、しっかりとした酸味と厚み、そしてキレがあります。
ニンニクと花椒のタレに漬けた滋味深い鶏肉の味わいに、このクセのあるワインが非常に良く合います。
奇しくもジュラの郷土料理に「コック オ ヴァン ジョーヌ」という鶏の煮込み料理があります。
鶏モモ肉をハーブやモリーユとともに、ヴァン ジョーヌ（今回のワインと同じ“サヴァニャン”種で造ったワイン）で煮込む伝統的な料理です。製法も表面的な味わいも違いますが、鶏の旨味を十分に引き出し、花椒の香りとアクセントにサヴァニャンの深みのある味わいと酸味が味わいの相乗効果となったと思います。
Ji-Cube
ソムリエ 吉岡 喜代志
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