渡り蟹のスパイシーソースがけ × アモンティリャード ティオ ディエゴ(スペイン)
Ji-Cube 2024.5~6 おまかせコース料理より 2品目
~ 魚香梭子蟹 ~
紹興酒や白酒、甘味噌などで漬けた酔っ払い蟹です。
薬味を利かせたピリ辛のソースが敷いてあります。
酔っ払い蟹は2切れご用意してあるので、1切れはそのまま味わって頂き、もう1切れはピリ辛ソースに絡めてお愉しみください。
Tio Diego Amontillado Valdespino / Andalucía・Southern Region・Spain
ティオ ディエゴ アモンティリャード ヴァルデスピノ / アンダルシア・スペイン
まず「香りに“紹興酒”」を感じて頂けます。
紹興酒主体で漬け込んだ酔っ払い蟹なので、“紹興酒”を合わせれば、何の問題もないマリアージュを感じて頂けますが、それでは“ソムリエ”がわざわざペアリングを提案する必要もありません。
紹興酒ではない飲み物で、紹興酒のような香りと、深みのある綺麗な味わいを酔っ払い蟹の味わいとマリアージュすることが、ペアリングの醍醐味なのではないかと思います。
「同調のマリアージュ」
マリアージュの基本的な考え方のひとつに「同調のマリアージュ」があります。
1回目のマリアージュでは「補填のマリアージュ」を使ってワインを紹介いたしました。
おそらくこれが、マリアージュの最もベーシックな形となるものです。
ある食材・料理が持っている香りや味わいの要素に対して、同じような香り・味わい要素を持つワインや他の酒類を合わせることで、味わいの方向性を揃えてあげる、という手法です。
このマリアージュは、結構イメージしやすいですよね。
ワインやブドウ品種の説明をする時、様々なフルーツやスパイス、ハーブなどで香り・味わいの特徴を表現するわけですが、そこで出てくる要素に近いものどうしが同調する、というイメージです。
アモンティリャード
今回マリアージュさせたお酒は、スペインのアンダルシア、地元ヘレスで一番飲まれていると言われる人気のシェリー、アモンティリャードです。
ドライな味わいのフィノを樽で熟成させ、より色濃くより力がある琥珀色のナチュラルな辛口シェリーは、非常に人気があります。
ソムリエ的には「ヘーゼルナッツやアーモンドのような香りを持ち、ボディは非常にバランスの良いナチュラルな辛口。」などと表現されますが、私はお客様に「紹興酒を思わせる芳醇な香りと、コク、キレのある味わいです!」とご案内しています。
お客様には驚かれたりもしますが、冬場には“熱燗”にしてご提供することも在りますが、それはまた別な話・・・。
Ji-Cube
ソムリエ 吉岡 喜代志
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