常温が常識?
赤ワインを冷やしてみる⁉・・・
2023/10/13
赤ワインは常温で飲むのが常識とされています。
しかし高温多湿の日本の真夏に常温の赤ワインは“もったり”と重く感じてしまいます。
そもそも、今年のように外出を控えたくなる茹だるような暑い日には、「赤ワインを飲もう」などと発想には至らず、むしろキンキンに冷えたシャンパーニュや白ワインが飲みたくなってしまいます。
もっと言えば、よーく冷えた麦茶やビールの方がのど越しが良いかもしれません。
では、なぜ赤ワインは冷やさないのでしょうか?
ワインの香りの成分はブドウの果皮から多く抽出されるため、果汁だけを発酵させる白ワインに比べ、ブドウの果皮ごと発酵させる赤ワインは香りの情報量が多く、温度が上がることでアロマが開き、その複雑なポテンシャルを引き出せるからです。
そしてもう一つの要因はタンニン。果皮由来のタンニンは冷やすと収斂性をより感じるようになり、飲み心地がザラっと固い印象になってしまいます。なので、“常温”とは言わずとも少し低めの16℃~20℃くらいがタンニンをまろやかに心地よく感じることができます。
具体的には、25℃くらいの赤ワインを、飲む30分くらい前に冷蔵庫に入れておくことです。
しかし赤ワインによっては冷やしても美味しく飲めるものがあります!
条件としては、はっきりとした強い香りを感じられる個性を持つワイン。そしてタンニンがソフトであること。
蒸し暑い夏に限らず、冷やして美味しい赤ワインのオススメが・・・
① シュペート ブルグンダー フリードリッヒ ベッカー
淡旨ピノ ノワールの理想形! 冷涼な産地らしい引き締まった酸と、樽からくるバニラやシナモン、イチゴ、チェリー、木イチゴ、クロスグリなど赤系果実がギュッと凝縮されたような甘やかで優しい味わいが特徴です♪ 色は淡いですが、旨味と豊富な果実味、ミネラルに満ちた、エレガントな味わいです。
よく冷やして飲んでも楽しめますが、氷を入れてもベリーのキュートな味わいが際立って楽しめます。
② ロッソ ピチェーノ
レッドチェリーや苺キャンディー、カーネーションの華やかでビビットなアロマにハーブのスパイシーさを持ち合わせます。
まろやかに濃い味わいが氷で冷やしても味わいが薄まらず楽しめます。
③ ピノ ムニエ ソノマ マウンテン ヴァン ダー キャンプ ヴィンヤード
赤ワインの程よいタンニンはタンパク質の分解も促し食欲も増進します。
暑い夏が終わり、秋の夜長に少し部屋を暖かくして、少し冷やした赤ワインを楽しむのもよいかもしれません。常識にとらわれず・・・