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Ji-Cube ペアリング構築の考察

西麻布のJi-Cubeでソムリエとして営業に携わるようになって、3度目のコース替えによるペアリングを提案しました。

私がソムリエの資格を取得して四半世紀、そのうち「ホテルオークラ東京」を始め、「麗心(表参道)」「新葡苑(赤坂)」「遊龍(赤坂)」「礼華 青鸞居(南青山)」「新華(乃木坂)」と中国料理店のソムリエとして従事して20年ほど、更に、東京の中華界隈で“ペアリング”が本格的に流行ったのが肌感で5年ほど前からでしょうか。

礼華でソムリエとして従事した2019年頃にはコース料理とワインのペアリングを提案し、社内で勉強会なども重ねてきました。

そんな25年のソムリエとしての経験、20年ほどの中国料理での体験、5年ほどのペアリングを懸命に専念 イエイ・・・とそんな韻とも言えない韻を踏んでみましたが、2024年現在ここJi-Cubeでこれまでの経験を駆使して、今をトキメク、トキメキのソムリエ?としてペアリングを提案しているのでした。

ペアリングを考えるにあたり、ソムリエは何より「料理」がなければ話が始まりません。単に料理と言っても、それを作るシェフによっても味わいは千差万別です。

同じくらいその料理を創るシェフの“人となり”もペアリングを考える上で大切な要素となります。

 Ji-Cubeの佐々友和シェフは、「日本で日本人が創る中国料理」を自身のコンセプトに掲げています。また長年、日本を代表する四川料理界のレジェンド 陳健一氏の下で修業し、本場四川の料理コンクールでも実績を残し、現在テレビでも活躍されている菰田欣也氏に師事し、四川料理一筋のプロフェッショナルです。熊本県出身であり、家族を愛し、四川料理の料理人でありながら辛いものがあまり得意ではない(笑)、私と同学年のアラフィフで、ユーモアで人間性溢れるオジサンシェフです。

 こう言った情報も含め、私がペアリングを考えていく上でも大切な要素となります。

 四川料理は北京、上海、広東と並ぶ中国料理の四大系統の一つ。

 四川は香辛料、上海は醤油や黒酢、北京は宮廷料理とそれぞれに多用する調味料などで料理の特徴が分かれます。

 広東は塩。広東料理が世界的に広まったのは、塩は万国共通の調味料だからと言われています。オークラ、オータニ、帝国(ホテル界の旧御三家)はじめ昔ながらの日本のグランドホテルの中華は広東料理が多いのは上記のような理由であり、香港が1997年まで英国領であり欧米人が香港風広東料理に馴染みがあったからと言えます。

 中華料理のコースは、フランス料理コースとは違い、大皿でたくさんの皿数が出ます。またコースの構成も、「前菜・スープ・魚・肉・デザート」といったものではなく、「前菜・焼き物・(フカヒレ)スープ・炒め物・点心・フカヒレ(煮込み)料理・辛い物・食事・デザート」(四大系統によっても変わる)と、調理法にフォーカスして構成することが多いようです。そのため白ワインに始まり赤ワインに繋ぐという洋食のセオリーはなかなか当てはまりません。

 そのような意味合いからもJi-Cubeの12皿あるコース料理では、一般的なワイン構成ではなく、提供される料理一品一品の“素材”や“調理法”、“醤(ジャン/ソース)”に「相性」を熟考した上でワインや中国酒を合わせております。

 

 もう一つ、Ji-Cubeでペアリングを考えるにあたり、ソムリエとしてお客様の“ワイン冒険譚”であってほしいと願い、ペアリングのためのワインをセレクトしています。

 多くのお客様がグラスワインメニューからワインを選ばれる際、良くも悪くもシャルドネやカベルネ、ピノノワールといった“安心・安全”的なワインを選ばれることが経験談として多く見受けられます。もちろんそれが悪いことではありません。失敗したくはありませんから当然のことです。

 そのようなことから、私自身のソムリエのプライドと経験を駆使し、料理に合うワインをセレクトすることは元より、普段お客様が味わったことの無いような地域や、ブドウ品種からセレクトすることを意識し、お客様に新しい発見をして頂きたいと考えてワインを、中国酒を厳選しています。

 佐々シェフが毎コース12品に対して真剣勝負で挑んでいることと同じ熱量で、私もソムリエとして真剣勝負でペアリングのアイテムをセレクトしています。

 Ji-Cubeでのペアリングがお客様にとって、“新しい発見”とか“楽しい”と感じて頂ければ幸いと思っております。

Ji-Cube

ソムリエ 吉岡 喜代志

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この記事の著者

吉岡 喜代志

1976年 東京生まれ。
銀座、横浜、新宿、青山、吉祥寺など、数々のレストランでサービス、調理の修行を重ねる。2000年 日本ソムリエ協会 認定『ソムリエ』資格取得。
その後、ホテルオークラ東京「ワインダイニング バロン オークラ」にてソムリエとして研鑽を積む。
2005年同協会認定『シニア ソムリエ』資格取得。2006年 東京・赤坂に「中国料理 新葡苑 Tokyo」をプロデュース。
2009年 ㈱クレア設立。同年 六本木「ワインダイニング ル ボン ヴィボン」をプロデュース。
2010年「酒類販売小売業免許」取得。
元麻布ワインバー「Cast78」、赤坂 中国料理「メゾン ド ユーロン」などで、ワインマーケティングアドバイザー。
新宿御苑、南青山、日比谷 中国料理 「礼華グループ」にて統括ソムリエ。
乃木坂中国料理「新華」支配人 兼 シェフソムリエ。
表参道 フランス料理「メゾン ド ミュゼ(旧 1999ロアラブッシュ)」にてソムリエを歴任。
恵比寿の老舗イタリア料理店「トラットリア イル ボッカローネ」と業務提携。
2024年2月より、西麻布「Ji-Cube」との業務提携にて、佐々シェフの創りだす珠玉の中国料理とワインのマリアージュを提唱、ソムリエとして活動中。

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